最近はアート思考という言葉も有名になりビジネスにおいて成果を出している人はアートセンスも同時に鍛えたり、美術館に足を運ぶことも多いと聞きます。
心理学、脳科学的にも美意識や何かに感動する力は重要であることがわかっています。
アニメでもよくあるのが、感情を排した合理的なキャラが、主人公と戦ったりする中で、感情的なものを取得し、弱体化するような面を見せつつも最終的には、感情を手に入れることによって勝利に繋がったり力を引き出せるなどの展開がありますよね(伝わるかな)
テニスの王子様で言うと乾先輩のようにデータに頼っている人が、最終的にはデータを捨てる展開とか胸熱ですよね。
感情は意思決定に有効かどうかと言うのは議論がされていることでもあり、人間はバイアスにかかりやすく、素早い意思決定をすると誤った判断をしやすいと言うのは「ファスト&スロー」でも語られていますね。
今回は意思決定において感情は有効なのか?というお話です。
優れた判断には感受性や情動が必要
神経学者のアントニオ・R・ダマシオ氏が提唱す「ソマティック・マーカー仮説」というものがありこれは感情が意思決定へ有効な影響(感情有用説)を与えると仮定した説です。
つまり「感受性や情動が減退している人は、よりよい意思決定ができない」という考え方です。
ダマシオ氏は脳腫瘍の手術を受けた患者が手術の影響で知能、論理力などには変わりないのですが、音楽や絵画などの芸術には興味も示さなくなり、悲惨な話などにも感情的な反応がおこらなくなりました。
この変化から研究を続けたところ、外部からの情報に対して起こる感情が意思決定の効率化になっているにではないか?と至りました。
アイオワ•ギャンブリング課題による実証
ソマティックマーカー仮説を実証するためにアイオワ・ギャンブリング課題というものがあります。
これは外からの刺激とそれによって生じる感覚によってマイナス感情を生じさせる選択を避ける行動をとりますが、前頭葉などに障害があるとマイナス感情が生じないため短期的な利益を得るために固執してしまことを実証しました。
具体的には、報酬と損失の金額及びその頻度が異なる4枚のカードの山を次々と選択していく課題です。
被験者は試行の中で原理を学習し、最終的な利益が最大になる選択をしていきますが感情的な面に障害があるとこれが難しいということがわかりました
まとめ:感情をうまく意思決定に取り入れる
ダニエルカーネマンのいうように、早い思考だけに頼っていると間違った判断をしてしまうこともあるでしょう。
意思決定の質を高めるには、網羅的に考え遅い思考の活用と感情的な面を鍛えるのも有効だということではないでしょうか?
実際にノーベル賞の受賞者は他の研究者などと比べても際立って芸術的趣味を持っている確率が高いことがミシガン大学の研究でも明らかになっています。
感情に振り回されるにではなくコントロールして生かすということを考えるとやはりマインドフルネスも有効ですね
とりあえず美術館に行ってみるなど楽しみながら学べたらいいですね
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