こんにちは!なべっちです!
花王のビューティリサーチ&クリエーションセンターとメイクアップ研究所が、日本人女性104人の顔を基に平均顔を合成したそうです
花王が日本人女性104人の顔を調査、8つの印象を強く表す「印象顔」を公開
以前、平均の科学についてお伝えしましたが、改めて平均は存在しないよ!ということをお伝えしたいと思います!
【平均の科学】花王が104人の女性の平均顔を作ったけど平均的な人間は存在しない【平均思考は捨てなさい】
詳細はこちらの「平均思考は捨てなさい」を参考にしていただきたいのですが、
1940年代アメリカ空軍が、飛行機の事故を減らすために、最適なコクピットを作るために4063人のパイロットを平均をとりました。
結果、平均的な身長や、胸まわり、腕の長さなど10箇所の寸法について計算して平均内に収まったケースは一つもなく、10項目を3項目にしても平均値あたりに3箇所が収まる人は3.5%にも満たなかったのです。
今回の花王の件でいえば手法は古く、平均顔がメイクアップ提案や個性を見出すヒントになるのでは?と考え、教育にも役立てることなど検討しているようですが、「実際に存在しそうもない平均の顔」なので、効果は薄いのではないでしょうか?
であれば、平均をとらず、実際に存在する人のいろんな人の顔から、目が印象的な人はどのような構成かをみるほうが良いと思います。
【見当違いの理想】典型的な女性「ノーマ」の彫刻に近い女性を選ぶコンテスト
今回の花王の取り組みにも近いですが、美術館とクリープランド・プレーン・ディーラー社が1万5000人の女性から集めたデータを参考に作成した彫刻「ノーマ」に近い女性を選ぶコンテストを行い、4000人近くの女性が参加しましたが、優勝した女性を含め、9つの項目全てが平均の範囲内の女性は1人もいませんでした。
どんな事例でも平均サイズの人間は存在しないということです!
平均という尺度で苦しむ
子供の発話が他の人より遅いのではないか?
とか、平均点より点数が少なかったなど落ち込んだりします。
成績や評価、スキルや経験年数、性格検査、収入。物事ができるようになる時期などいろんなことで「平均」をもとに考えたりしますし、あらゆる場面で「平均」を基準にすることを受け入れています。
平均の有効性についてはケトレーという科学者がさまざまな事例を使い説明し、平均とかけ離れた個人はエラーとさえ判断していましたが当時の研究者はこれに賛同し、偉大な発明だと考えていました。
平均に近いほうが良いとするケトレーに対し、ゴルトンはどれだけ平均から離れているかに価値がある「ランク付け」というアイデアに至り、有能、平均以下など考え方は1900年代には浸透していきました。
この考え方は今でも根強く、とにかく平均以上でなくては、平均以下と見られないようにしないといけないという考えに苛まされ、平均的な友人の数や、年収など 平均からのランク付やタイプわけは正しいと考える平均主義を採用し、標準を目指すようになりました。
アクションプラン
成績の平均を比較したり、平均結婚年齢を比較したりするのをやめよう!といっても手放すのは難しいのではないでしょうか?
一つはセルフコンパッションなど自分を受け入れ人と比較しないメンタルを手に入れるのも良いかもしれませんが、今回は平均主義の依存からの脱却を提案します。
平均主義から個性重視の科学を支える原理は3つあります。
・ばらつきの原理
・コンテクストの原理
・迂回路の原理
こちらについてはまたお伝えしていきますが、人の成長過程は一つでなかったり、先程の事例のようにばらつきがあり、ある人が今みえている部分も背景要因によるところが大きいのです。
昨今やっと「個の時代」だと言われるようになってきました。
平均や常識に近づけることに価値は無くなってきましたし特徴を配慮や理解してもらいながら成果に繋げることもできるようになってきました。
紹介した本の平均思考は捨てなさいでは具体的な教育システムについても提案がありますが、まず大事なのは方向性として、平均の神話を捨て去り、「平均的な人間は誰1人いない」という考えを持つことだと思います。
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